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2004.03.26

「別れ」の思い出

あれは、小学校6年の時の思い出...

6年間も、机をならべて学んで来た同級生たち。名前も顔も、お互いにわかっている6年生。10代の前半で、異性にに関心を持ち始める年頃だった。ラジオの深夜放送を聴く、同級生の子もいた。深夜放送では、「きんたの大冒険」と言う大人向けの歌が放送されていた。その年、同じクラスで、同じ班になった彼女は、背は低いがとても「おマセな子」で、掃除の時間に「きんたの大冒険」を大きな声で明るく歌うような子だった。

卒業の近づく2月。その彼女が、バレンタインのチョコレートをたくさん持って、学校へ登校してきた。休み時間になると、クラスの男の子に、だれかれと言うことなく、配り始めた。受け取っている男の子は、得意げで、とてもうれしそう。しかし、俺のところへは、それを持ってこなかった。

意固地になった俺は、ケチな考えを持っていた。たとえ、バレンタインであろうが、学校へお菓子を持ってくるのは間違いだ。俺は、受け取らない。でも、本音のところは、お菓子が欲しくて堪らなかった。もらっている男の子が羨ましかった。

放課後になり、帰りの会を済ませて、帰ろうとした時、彼女が、「これ、受け取ってください!」と言って、チョコレートを差し出した。俺は、首を横に振った。すると、彼女は、急に泣き顔になり、涙を浮かべた。俺は、しまった!と思ったが、時すでに遅し! 彼女は、逃げるように帰って行った。

卒業式まで何日かあったのに、自分は、何をやっていたのか、彼女に謝ろうともしなかった。出来なかったのか...思い出せない。あの時へ戻れるなら、俺は喜んで、彼女の気持と共にチョコレート受け取るだろう。今更のように、自分が子供だったと思う。あの時の俺は、彼女が抱いていた恋愛感情に、気づくことなど無く、ただ、お菓子が欲しかっただけだった。

小学校を卒業し、中学校へ入学した。当然、彼女も同じ中学校になった。しかし、廊下ですれ違っても、以前のような明るさは、もう、無かった。その一件が彼女の心を閉ざしたと、俺は感じた。あのバレンタインの日が、彼女との「別れ」だと、今も思う。

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